Kさんのフィクション




『エミリン』





 
 

 俺の名前は本田正樹。中堅規模の商社に勤める32歳、独身。今俺は新プロジェクトの立

ち上げでマレーシアKLに駐在中。今から皆さんにお話しするのは、俺が、どのようにして奇妙

な世界に吸い込まれて行ったかのストーリーである。
 
 

誘い

 俺はいつものように会社で残業をしていた。我がプロジェクトも終盤にかかり、膨大な説明

資料を作成するためである。すると、突然、内線電話が鳴った。こんな時間にまだ誰かいるの

かと思いながら電話に出ると「Honda-san,I'm Emilyn.」と言う女性の声。会計課の女の子だっ

た。「There's no one left inthe factory.  What time are you going back?  Can I get a lift from
you?」(失礼、ここから先は全て日本語に翻訳してお届けする)。

 我が工場は工業地帯の中心にあり、夜9時過ぎると公共交通機関はほとんどなくなり、自前

の交通手段を持たない女子社員は誰かの車で送ってもらわない限り、工場を出ることができ

ないのであった。この子は取り残されてしまったのだろう。突然の女性からの電話に俺は仕事

の緊張が解け、腹が減ったことを思い出した。

 「今から帰るから送るよ。玄関で待っていて。」

俺はそう言うと仕事を片付け、玄関へ向かった。一階は既に照明も消え、暗闇の中に一人の

女性が立っていた。近づくとエミリンだった。彼女は会計課では中堅で新人をテキパキ指導し

ているが、見た感じは小柄で童顔、高校生と言っても信じてしまいそうな幼さがあった。そし

て、何となく申し訳なさそうな、恥ずかしそうな表情でこっちを見ながら言った。

 「すみません。残業に夢中になってバスの時間過ぎちゃったんです。誰もいなくなって、もう帰

れないかと思いました。」

 俺は軽く微笑み言った。

「いいよ。俺も暇だし、送るよ。」

 彼女はホッとしたような表情で微笑み返した。

 俺は、玄関の鍵を閉め、我が愛車BMW323iのエンジンを始動させ、エミリンを助手席に乗

せた。

 「さて、家はどこだっけ?」

 赴任して既に2年経っていたが、今まで女子社員の家など行ったこともなく、彼女がどこに住

んでいるかなど知るすべもなかった。

 「ペタリンジャヤです。香港バンクの裏です。」

 彼女は申し訳なさそうに言った。

 「そうか。だったらついでに銀行で現金出して行こうかな。」

 そう言いながら俺は車を静かにスタートさせた。工場のゲートを出ると、普段トラックで一杯の

道も今は一台の車もなく、俺がアクセルを踏み込むとBMWは乾いたエキゾーストノートと供

に気持ちのいい加速を開始した。高速道路の入り口まで軽くドライビングを楽しむと、突然腹

が鳴った。エミリンにも聞こえたらしく、彼女はクスッと笑った。

 「ごめん。腹が減ったなぁ。エミリンは夕飯どうしたの?」

 俺はちょっと照れながら言った。

 「私もまだです。おなかペコペコ。」

 「じゃ、決まりだ。PJで食べよう。」

 高速道路の本線に入ると俺は車をフル加速させた。

PJに着くと我々は小奇麗な中華料理屋に入った。そして、適当にオーダーを済ませ、ビール

で乾杯した。こんな感覚は久しぶりだった。この2年間、俺は仕事が忙しく、仕事を離れて異

性とゆっくり食事することなどまったくなかった。

 「二人だけでディナーなんて、まるでデートみたいだね。でも、あんまり遅くまでの残業は良く

ないよ。夜道は危険だからね。」

 彼女はぺロッと舌を出して茶目っ気いっぱいに言った。

 「はい。もうしません!でも、本田さんがいる時はいいでしょ?」

 なんともかわいい素振りで、俺はちょっとドキッとした。

 「こいつ、かわいいかも・・・」

  俺は心の中でそう思った。

 やがて料理が運ばれ二人は和やかに食事をした。会話の内容は覚えていないが、楽しい

一時だった。

 「さて、もう遅いからそろそろ帰るか。」

 俺は会計を済ませ、立ち上がった。

 車に戻り、車内に入ると、彼女がポツリと言った。

 「あの・・・」

 しかし、その後の言葉が続かなかった。何だろうと彼女の顔を見ると今までの明るさは消え、

ちょっと緊張した表情に変わっていた。

 「なに?」

 突然の変化に俺は戸惑った。暫らくの沈黙の後、彼女は意を決したように、

「あの・・・、ちょっと変なこと聞いていいですか?」

 と小さな声で言った。

 「うん?何でも聞いていいよ。俺に答えられることなら何でも。」

 俺の問いに対し、またしばらくの沈黙が続いた。何とも重い雰囲気だった。

 「聞きにくいこと?」

 しかし、noanswer。

 2分くらい経過しただろうか。車の中が段々蒸し暑くなってきた。俺はエンジンをかけ、クーラ

ーを最強にした。クーラーの音が重い雰囲気をかき回した。

 俺は考えた。もしかして愛の告白?そりゃ、マズイよ。俺は一応日本にフィアンセが居るし。

と言っても最近疎遠になってきてるし、フィアンセって俺の勝手な思い込みだったかな?アイツ

もう別の男を見つけてたりして。俺も浮気しちゃうか?俺は勝手な想像を膨らませていた。

 「あの・・・、これから言うこと、誰にも言わない二人だけの秘密にしてもらえますか?」

 彼女は小さな声で沈黙を破った。

 「いいよ。二人だけの秘密。君はなんか苦しんでるみていだけど、何でもいいよ。相談に乗る

よ。俺に出来ることだったらなんでも。君に悪いようにはしないから。信じなさい。」

 なんか宗教みたいになってきたな。

 「おむつ・・・」

 クーラーの音にかき消されてしまいそうな小さな声だったが、確かにおむつと言う言葉が聞こ

えた。これは、彼女にしてみればとんでもない行動だった。会社の上司に、それも今までプラ

イベートで話したことなど一度もない相手に、突然自分の一番恥ずかしい悩みを打ち明けな

ければならないんだから。しかし、もう、そうするしか方法はなかった。おむつ被れは日に日に

悪化し、最近は痒みを越えて痛くなってきていたのだった。

 「えっ?」

 俺が彼女の顔を覗き込むと次第に話し始めた。

 「日本には大人用の布おむつがあるんですよね。私、インターネットで見たことがあるんで

す。それとおむつカバー。この方が被れにくいって書いてあったんです。」

 想像していたこととはあまりにも違い、俺は困惑した。

 「えっ?」

 これ以上返す言葉が見つからなかった。彼女は更に続けた。

 「私、オネショするんです。だから、おむつが必要なんです。でも、ここでは紙おむつしかなくて

凄く被れるんです。だから日本の布おむつが欲しいんです。」

彼女は断念したかのようにすらすらと話し始めた。

 「そうか。それで言いにくかったんだね。俺はおむつのことは良く知らないけど今度日本に帰

った時に買ってきてあげるよ。来週出張で帰るから。」

 この安請け合いが後にとんでもないことに発展するとはこの時は知るすべもなかった。
 
 「オネショか。懐かしい響きだな。俺も昔、オネショしたんだよ。よく母親に怒られてたなぁ。で

も、知らない内にしなくなってたよ。だから君もあんまり心配しない方がいいよ。気にすると余

計いけないよ。しなくなるまでおむつしてればいいんだから。このことは誰にも言わないから。

二人だけの秘密だよ。」

 俺はなんとか彼女を元気付けようと出来る限りの言葉を探した。しかし、大人なのにオネショ

してしまうという心の痛みがどんなものなのか理解することはできなかった。

 「で、そんなに被れるの?どんなおむつが欲しいの?」

どのように接したら一番傷つけないか考えたが、結局、一番ストレートな質問になってしまっ

た。しまったと思ったが、彼女は思いもよらず明るく答えてくれた。

 「インターネットで見れるんです。その方が口で説明するよりわかり易いでしょ?宜しかったら

私の部屋へ来ませんか。直ぐ見れますけど・・・私、一人暮らしだから他に気を使うこともない

し。」

 突然の誘いに俺は戸惑った。この子はこんなに簡単に男性を自分の部屋に招くのか。それ

もこんな時間に。一人暮らしなら余計イカンだろうが・・・

 「OK、行くよ。」

 こうなったらトコトン付き合ってみることにした。これからどういう展開になるのか、ちょっと興

味もあった。

 俺は車を彼女の家まで走らせた。小さな二階建てのアパートの一室だった。そしてとうとう部

屋に入ってしまった。そこはワンルーム式で効率的に家具が配置してあった。

 「君はキティちゃんが好きなんだね。」

 部屋中にはハローキティグッズが並んでいた。

 「はい。私、キティちゃん大好き!」

 そう言えば彼女の腕時計もキティちゃんだったような。これは新鮮な体験であった。考えてみ

れば、若い女性の部屋へなど今まで一度も入ったことがなかった。

 彼女は早速パソコンの電源を入れ、インターネットに接続した。

 「これは会社が従業員に払い下げたヤツだね。君も買ったのか。」

 俺は思い出した。以前、会社がパソコンの入れ替えをした時に古い機材を従業員に安く売っ

たのを。その時、真っ先に聞いて来たのがこの子だった。そうだった。あの時もかわいい子だ

と思ったんだ。

 「これはまだ現役の機種だったんだけどね。一台だけだったから出しちゃったんだな。君、得

したね。」

 彼女はニコッとして「返しませんよ。」と言った。

 やがて画面が現れ、お目当てのホームページが開いた。俺は画面を見てビックリした。なん

とそこは趣味のおむつのホームページだった。そして、そこでは大人サイズで作られたキティ

ちゃん柄の布おむつが販売されていた。確かにかわいい。俺は今まで大人用の布おむつな

ど見たこともなく、どんなものなのか、無地なのか、柄物なのか、わからなかったが、少なくと

も、このキティちゃん柄の布おむつは違うと思った。

 「キティちゃんか。確かにかわいいね。でも、こんなのしたいの?これじゃ、赤ちゃんみたいじ

ゃない?で、これを俺が買いに行くの?」

 俺はその場を想像した。男の俺がこんなかわいいキティちゃん柄の布おむつを買う姿は恐

ろしいものだった。

 「ダメですか?」

 彼女はねだるような目で俺を見ていた。ここまで来てしまった以上、ダメとは言えないと思っ

た。

 「ダメじゃないよ。ただ、ちょっと恥ずかしいけど。」

  俺は引き受けてしまった。
 
 「ありがとう!」

 彼女は目を輝かせながら喜んだ。そして、次のページに進ませた。徐々に現れてくる画像は

おむつカバーだった。

  「これと、これと、これと、これ。それからこれも。全部2枚づつね。」

  なんと5種類の内、3種類がキティちゃん柄だった。内一枚は厚みのあるキルティングの生

地だった。

  「君は本当にキティちゃんが好きなんだね。さっきの布おむつも、このおむつカバーも、全部

キティちゃんじやないか。もう完全な赤ちゃんだね。もしかして君、本当は、赤ちゃんになりた

いんじゃないの?」

 この子はもしかしたら赤ちゃん願望があるのかと思った。

 「そんなことありません!ただ、私はオネショするし、おむつ被れがひどいから布おむつがい

いなって。それに、私は女の子だからかわいいおむつがいいなって。赤ちゃんになんかなりた

いと思ったことなんてありません!」

 彼女はちょっと膨れっ面で答えた。女の子の考えることはわからん。

 「私って変ですか?ダメですか?」

 ちょっと悲しいような表情と供に、またあのおねだりであった。確かに変だ。健全な精神には

かわいいおむつなどいらないと思った。さてどうする。ここまで彼女の秘密を知ってしまって引

き下がれるか。出来ればなかったことにしたい。俺があんなものを買いに行くのか?どんな顔

して買えばいいんだ。困った。彼女は俺を信じて告白したのに、無しにしてくれなんて言える

か?

 「わかった。買ってくるよ。心配いらないよ。誰にも言わないし、変だとも思ってないから。た

だ、ちょっとびっくりしたけど。一つ聞いていいかな。君は好きな人とかいるの?男性と付き合

ったこととか?」

 バカな。俺は何を聞いているのだろう?いや、俺はただ、この子は何かトラウマがあるんじゃ

ないかと思っただけだ。

 男性経験もなく、ただ、母親に対する甘えたい心が赤ちゃん帰りさせているんじゃないかと

思った。

 「付き合った人はいません。好きになった人はいますけど・・・でも、何も言えないままお別れ

しちゃったんです。」

 彼女は悲しそうに答えた。

 「ごめん。変なこと聞いちゃったね。お母さんは?いっしょに暮らさないの?」

 俺は更に質問した。

 「両親は3年前に交通事故で亡くなりました。兄が二人いますが、二人ともシンガポールで働

いているんです。だから今は一人暮らしなんです。」

 更にマズイ質問だった。彼女の目には涙が浮かんでいた。イカン!涙はマズイ!こ

ういう展開、俺、弱いんだ。

 「ごめん。また変なこと聞いちゃった。よし!俺がここにいる間は親代わりになってやろう!」

やってしまった。またまたバカなことを!赤ちゃん願望の子?だと思う、この子の親代わりとい

うことは、この子の父親か?この俺が?でおむつ替えなんかしたりして。バカな!俺は何を考

えてるんだ。

 「嬉しい!私、前から本田さんのファンだったんです。仕事は厳しいけど、心はとても暖かい

感じがして、こんな人が彼だったらいいなぁって。」

 こういう展開は想像しなかった。いや、心の中ではこの子に何か期待していたのかもしれな

い。この2年間は女性との付き合いもなく、心の底では何かを期待していたのかも知れない。

 しかし、この展開はないだろう。なんでおむつなんだ。

 とりあえず、今晩は引き上げることにした。サイズは後日聞くとして、ここは退却しかなかっ

た。このままいると、次はどんなことを引き受けてしまうやら。夜は魔物だ。心にもないことを

言わせてしまう、いやそれとも、心の奥底を開いてくれるのか。帰りの車の中でも俺はエミリン

のことを考えていた。ドライビングにもいつもの冴えはなかった。自分の部屋に着くと、俺は

早々さっきのホームページを開いた。メール先があったので、状況を説明し、必要なものを注

文するメールを打って見た。さて、返事はくるかな?

 次の日も俺はいつものように残業していた。ただ、いつもと違うのは、エミリンが秘書代わり

に俺の資料作りを手伝ってくれていること。もちろん、それは他のスタッフが全員帰った後だ

が。

 そして、時間も9時を回り、空腹もピークに達し、二人は仕事を止め、帰ることにした。昨日と

同じルートだったが今晩はイタメシを食べ、早々にエミリンの部屋へ行った。再度あのホーム

ページを開き、他のおむつカバーを二人で見た。キティちゃん柄は他にはなかった。

 「じゃ、注文は昨日の10枚だけでいいね。」

 俺は優しくエミリンに確認した。彼女は静かに頷いた。ふと、ベッド脇を見ると紙おむつのパッ

ケージがあった。エミリンもそれに気付き、恥ずかしそうにベッドの下に隠した。

 「今更隠すこともないだろう。こんなおむつカバーや布おむつを買うんだから。」

 俺はそう言ってパッケージを引き出した。確かに大人用の紙おむつは味気なかった。真っ白

で柄などあるはずもなく、かわいいとは全く言えないものだった。

 「かわいくないね、これ。もう直ぐかわいいの買ってくるから待っててね。」

 俺は何を言ってるんだろう。

 「そうだ。昨日のメールの返事が来てるかも知れない。見てみよう。」

 俺は自分のパソコンを鞄から取り出し、電話回線に繋いだ。メールが受信されて来た。

 その中の一つに返事があった。注文の品はすべて在庫にあるとのこと。仮押さえしておくと

のこと。

 「エミリン、OKだよ。全部あるそうだよ。よかったね。」

 エミリンも嬉しそうにメールを覗き込んでいた。
 

 いざ、買い物

 俺は今KLセパン国際空港にいる。日本への出張のためだ。俺の便はJAL724便、成田行

き、23時発。3日間の短期出張であるが俺はスーツケースをチェックインした。そう、中は空だ

ったが帰りの荷物のために大きなスーツケースにしたのだった。エミリンも見送りに来てくれて

いた。ただの出張だから見送りはいらないと言ったのだが来てしまった。

 「気を付けてね。早く帰ってきてね。」

 なんか恋人同士の関係のようであった。俺はエミリンに見送られながらイミグレーションに向

かった。出国手続きも済み、振り向くとエミリンが上から手を振っていた。俺も軽く手を振り、

搭乗ゲートへと向かった。

 飛行機はもう、何度乗ったことか。何度乗ってもあの離着陸時のあの感じは好きになれな

い。席に着くと俺は早々眠ることにした。夜行便は眠れないと翌日が辛い。

 俺はウトウトしながらも、なんとか寝ようとした。スチュワーデスにも事前に起すなと伝えてい

る。が、今晩に限って眠れなかった。エミリンのことが頭から離れなかった。それと、おむつ。

日本に着いたら買いに行かなくてはならない。どうする?そんなことを考えながらも知らぬ内

に俺は眠っていた。ドン!のショックで俺は目覚めた。なんと成田に着陸したのである。眠れ

ないどころか、フライト中ほとんど眠っていたことになる。やはり残業続きで疲れていたのだろ

う。

 入国手続きを終え、俺はリムジンバスで本社のある横浜に向かった。YCATに着くと、まず宿

泊するホテルにスーツケースを預けた。早朝のため、まだチェックインはできなかったが、こ

んな大きなスーツケースを持って会社へ行く訳にはいかなかった。

 二日間の会議が終わり、フリーな最終日となった。俺はお店に電話をし、これから行くことを

伝えた。電車とバスを乗り継ぎ、俺は店の前まで来た。ドキドキしてきた。どんな店だろう。さっ

きの電話の相手は女性だったけど店員は何人いるんだろう。想像しても始まらない。もう店の

前まで来てるんだから入るしかないだろう。俺は勇気を出して店のドアを開けた。

  「いらっしゃいませ。」

 中からさっき電話に出た女性の声がした。店の中に入るとその女性一人だった。

 「こんにちは。」

  俺が挨拶すると彼女は早速ブツを取り出した。

  「本田さんですよね。今、お電話頂いた。」

 名前だけ確認すると、おむつカバーの確認から始まった。

 「まず、これがキティちゃんその?ですね。これ人気あるんですよ。手に取ってご覧下さい。ホ

ックもしっかり付けてありますから丈夫ですよ。」

 俺は恐る恐るおむつカバーを手に持った。確かにかわいい。しかし、こんなものを大人がす

るか?俺はおむつカバーを見つめ、固まっていた。それに気付いた店員が言った。

 「そうでしたね。お客さんご自身はおむつには興味無いんですよね。 会社の部下の方のため

でしたよね。でも、おむつって、そんなに変に感じられますか?そうね、最初は変かも知れな

いけど。でも、一度おむつするときっとわかると思うけどな。おむつをする人の気持ち。彼女の

ためにお客さんも一度おむつしてみたらどうですか?それが彼女に対する一番いい思いやり

だと思いますよ。」

 すごい理屈だった。

 「いや、私はいいよ。やっぱり抵抗あるよ。」

 なんで俺がおむつなんかしなきゃならんのだ。冗談じゃない。

 「次がこれ。これもキティちゃん。最初のと色違いなんです。ピンクもかわいいけど、このブル

ーもかわいいでしょ?」

 店員は勝手に進めていった。

 「次がこれ。これは生地がキルティングなんですよ。暑い所だとこれ、蒸れますけどね。これ

もとても人気があるんですよ。特に冬場は。それから、これ。ピンク地にうさぎさんのアップリ

ケ付き。そして最後がこれ。クリーム地にくまさんのアップリケ付き。全部2枚づつですよね。ど

うぞ、手に取って確認して下さい。全部ちゃんと作ってあるけど、確認して頂いた方が間違い

ないし、一度お持ち帰り頂いた後は、返品はお断りさせて頂いているんですよ。それに、お客

さんはマレーシアからでしたよね。お帰りになった後で別の欲しくなっても、もう遅いですから

ね。あの棚にも沢山のおむつカバーがありますからご覧ください。キティちゃんもホームペー

ジには乗せてない新しい柄も入ってますよ。」

 キティちゃんと聞いて俺は心が動いた。アイツ喜ぶかな。

 「新しいキティちゃん見せて頂けますか?」

 俺はとうとう自分からおむつカバーを見たがっていた。いや、これはエミリンのためだ。自分

のためじゃない。店員は俺の動揺を見透かすかのように微笑みながら新しいおむつカバーを

取り出した。ブルーのチェック地にキティちゃんがいっぱい描かれたもの。それからピンク地

にキティちゃんのアップリケが付いているもの。

 「どうですか?どっちもかわいいでしょ?これ、何も言わずに、最後に見せたらきっと喜ばれ

ますよ。それで、お揃いにしたら、もう泣いて喜ぶかも。」

 なんか営業トークが上手いな。そう思いながらも気持ちは段々揺らいできていた。なにも反

論しないでいると店員はサイズ表を取り出し

 「お客さんだとサイズはLかな。ウエストはいくつですか?」

 と聞いてきた。なんか具体的になってきたなと思いながらも、つい、自分のウエストサイズを

言ってしまった。

 「あ、やっぱりLですね。ありますよ。両方とも。女性の方がMでお客さんがLね。」

 店員は両方のサイズをテーブルに並べて見せた。確かにお揃いである。しかし、俺がおむ

つ?嘘だろ・・・

 「ムリにとは言いませんけど、私はおむつが必要なその女性の方の気持ちをわかってあげ

られるようになってほしいんです。きっと今も悩んでおられますよ。どうして言ってしまったんだ

ろうってね。その方はお客さんのことが本当に好きなんですよ。だから自分のことを全て曝け

出してわかってほしいと思ったんじゃないかな。きっと苦しんでるんですよ。その方。」

 まいったな。この店員の言う通りかも知れないな。しかし、抵抗あるな。俺がおむつかよ。俺

はLサイズのおむつカバーを持つとそれを自分の下半身に当ててみた。

 「かわいいですよ。」

 店員がそっと言った。俺は決断した。

 「じゃ、この新しいの両方お揃いで下さい。」

 何やってんだ、俺は。

 「はい。MとL。一枚づつですね。それから布おむつでしたよね。キティちゃんの。何枚必要

ですか?」

 そう聞かれても俺だってわかるはずがない。

 「一回に少な目で6枚、普通だと8枚くらい使うかな。毎晩のオネショに使うだけなら、洗濯と

か乾燥を考えると50枚くらいあった方が宜しいんじゃないですか?」

 店員のアドバイスに従い50枚買うことにした。店員が全てのものを袋に詰めている間、俺

は棚にあるおむつカバーを見ていた。

 「これ、どんな人が買っていくんですか?男性、それとも女性?みなさん、おむつマニアの

方?」

 俺の素朴な疑問だった。

 「他のお客さんのことはあまりお話し出来ないんですけど、そうですね、男性の方が多いです

ね。それから、おむつマニアと言っても変に思わないで下さいね。いろんな性癖の方がこの世

にはいるということ、わかって下さい。皆さん、とてもいい方ばかりですよ。」

 そんなものかなぁと思った。俺にとっては全く新しい世界の発見だった。

 俺は支払いを済ませ、店を出た。後はKLへ帰るだけ。エミリンの喜ぶ顔を見に。
 
 

お揃いのおむつ
 

 夕刻、俺の乗ったJAL723便は定刻7時にKLセパン国際空港に到着した。入国審査を済ま

せ、到着ロビーに出るとエミリンが迎えに来ていた。「お帰りなさい。寂しかった。」彼女は本当

に嬉しそうにした。二人は、まず、タクシーで俺のコンドミニアムに向かった。自分の部屋に女

性を招くのはこれが初めてであったが、エミリンならいいと思った。俺はスーツケースからおむ

つカバーと布おむつを取り出し、エミリンに見せた。彼女は目を輝かせながら一つ一つ、丁寧

に見ていった。

 「全部かわいい!思っていたよりかわいい!ありがとう!」

 彼女は全身で喜びを表現した。

 「まだあるよ。ほらっ!」

 おれは追加の2枚を見せた。

 「これは新しいのでホームページには乗ってないやつだよ。気に入って貰えるかな」

 そう言いながら俺は一枚を彼女の下半身に当ててみた。

 「うん、かわいいよ。エミリン。」

 そう言いながらおむつカバーを彼女に手渡した。そして自分用のお揃いのおむつカバーを

取り出し、自分の下半身に当てて見せた。

 「エミリンとお揃い。ほら、これも。」

 俺は2枚のお揃いのおむつカバーも見せた。彼女の目に涙が見えた。

 「ありがとう。そこまで私のことを思ってくれたなんて・・・」

 突然、彼女が抱き付てきた。

 「私、本当はおむつが好きなの。最初は本当にオネショで仕方なく紙おむつしてたんだけど

段々おむつが気持ちよくなってきて、それでいろんなホームページ調べてる内にこういう世界

もあること知ったの。でも、貴方のことも好きなの。だからわかってほしかったの。こんな私

を。だからすべてを打ち明けて、もし嫌われたら、もう貴方の前から消えようと思ってたの。で

も、全部は言えなかったの。ごめんなさい。」

 彼女の目からは大粒の涙が零れ落ちていた。俺も彼女を抱き抱えた。

 「エミリン。俺もわかったんだ。あのお店に行ってみて。こういう世界もあることが。不思議だ

けど、変態なんかじゃない、ちゃんとした世界があるんだ。かわいいよ。エミリン。俺も君が好

きだ。」

 しばらく二人は抱き合ったまま、静粛な時間が流れていった。

 「ねぇ、エミリン。おむつしてみようか?」

 俺の突然の提案に彼女はただ頷くだけだった。

 「どのおむつカバーがいい?」

 彼女は黙ってお揃いのおむつカバーを選んだ。その瞬間俺は思った。この後は俺の番だ

な。なんかとてもドキドキした。俺は彼女が選んだおむつカバーをベッドに広げた。

 「まず下におむつカバーを敷くんだったな。その上に布おむつを横に2枚。それから縦に6

枚。こんな感じかな。俺、あのお店でおむつの当て方習ってきたんだ。さっ、エミリン。こっちお

いで。」

 俺は優しく彼女の手を取るとベッドの方へ連れて行った。そしてスカートを脱がせ、パンティ

ーも脱がせた。彼女は全く抵抗しなかった。そして、俺の言うまま布おむつの上におしりを下

ろした。俺はゆっくり布おむつを当て、おむつカバーの横羽根を彼女のおなかの所で留めた。

そして前カバーをおなかに当て、ホックを一つ一つ丁寧に留めていった。俺が作業している

間、彼女はなにも言わず、ただ頬を真っ赤に染めて全てを俺に委ねていた。ホックを全部留

め、太股の紐とウエストの紐を縛った。股の所からはみ出していた布おむつもカバーの中に

押し込み、初めてのおむつは完了した。我ながらいい出来だった。俺は彼女の手を取って起

き上がらせた。

 「とってもかわいいよ。エミリン。」

 彼女はニコッと微笑んだ。

 「次は貴方の番・・・」

 彼女の恐る恐る小さな声で言った。この展開、もうわかっていた。が、その場になると躊躇し

てしまう。が、俺も男だ。ここまできた以上、トコトンこの子に付き合う。俺は黙って頷いた。彼

女はお揃いのおむつカバーをベッドに敷き、布おむつを同じように重ねた。

 「はい、準備できましたよ。」

 彼女が俺の方にやってくる。俺の手を掴むとベッドの方へ行った。オー、神様。私はこれか

らおむつされちゃいます。

 エミリンは俺のベルトに手を掛け、バックルを外した。そしてズボンを下ろした。俺の大事なも

のは最大級に勃起していた。彼女はちょっと驚いた様子だった。

 「見るの初めて?」

 エミリンは黙ったまま、俺のパンツも下ろした。

 「これじゃ、おむつ出来ない。」

 彼女はちょっと困った様子だった。が、次の瞬間、彼女は俺の大事なものを口に咥えた。そ

してゆっくりとしゃぶった。あっという間の昇天であった。何処でこんなこと覚えたんだ?不思

議ではあったが、彼女は本能のまま素直に動いているだけだった。俺の大事なものはそれま

での勢いを失っていた。

 「これでおむつできるわ。ここにおしり置いて。」

 彼女は優しく指示した。俺は言われるままにおしりをおむつの上に下ろした。オー、なんとい

う感触だ。柔らかい。そして暖かい。俺が横になると彼女は布おむつを当てた。まずは横。そ

れから股の間。おれの大事なものも布おむつで隠されてしまった。続いておむつカバーの横

羽根をおなかに当て、マジンクテープで留めた。そのまま今度は前カバーをおなかに当て、ホ

ックを一つ一つ留めていった。

 パチン、パチン。ホックを留める音が部屋の中で響き、より一層、俺の羞恥心を高めた。お

むつされちゃう。望んでいる訳ではないが抵抗するわけでもなく、おむつをされてしまう。最後

のホックを留めると、紐が結ばれた。そして股からはみ出た布おむつをカバーの中に押し込

まれた。俺の大人になって初めてのおむつはこうして当てられたのだった。情けない、この俺

がおむつなんて・・・でも、なんとなくエミリンの言ったことがわかるような気がする。柔らかく

て、暖かくて、優しい気持ちになる。

 「はい、できまちたよ。とってもかわいいでちゅよ!」

 彼女の言葉が赤ちゃん言葉になっていた。

 二人は鏡の前で並んでみた。確かにお揃いのおむつカバーがかわいかった。二人は顔を見

つめ合い、突然笑い出した。

 「エミリンは赤ちゃんだ!」俺がそう言うと

 「本田さんだって赤ちゃんじゃない!」

 ここで一瞬沈黙が走った。

 「本田さんはよくない。正樹だよ。そうだな。マーくんでいいよ。」

 そう、赤ちゃんを苗字で呼ぶのが変な感じだったのだ。

 「じゃ、もう一度。マーくんだって赤ちゃんじゃない!とってもかわいいよ!」

 俺は照れたが、おむつという物への抵抗感は少なくなっていた。

 その後、二人はベッドで本当の赤ちゃんのようにじゃれあっていた。
 
 

おむつディナー
 

 「エミリン。おなか減ってない?このまま夕飯食べに行こうか?」

 さすがのエミリンもこの提案には驚いた。ちょっと前までおむつに抵抗を示していた俺が突

然、こんなことを言うとは思ってもいなかったのだ。それに、今まではおむつは全て家の中だ

けのことだったから、おむつをしたままでの外出となると彼女としても緊張するものだった。二

人はおむつカバーの上から服を着て初めてのおむつ外出の準備をした。俺のズボンはおしり

の所が膨れ上がり、明らかに「おむつしてます」のメッセージを放っていた。エミリンは不幸に

して今日はミニスカートだった。

 スカートはおしりの辺りが特に膨れ上がり、その分、丈が短くなりちょっとした風が吹いても

おむつが見えそうになっていた。中々スリルのある外出であった。

 「ねぇ、本当にこんな格好で外出するの?知ってる人に合ったらどうするの?絶対ばれる

よ。」

 躊躇したのはエミリンの方だった。

 「大丈夫。この国の人は大人用おむつカバーなんて知らないだろう。だから気付かないよ。

おむつだなんて。」

 二人は決心して外出することに決めた。

 駐車場へ行き、BMWに乗り込んだ。そして高級ホテルのグリルへ行くことにした。ホテルの

前に車を着けて、ドアボーイに鍵を預けると二人はグリルへと向かった。周囲の人の目が気

になったが、我々が気にするほど周囲は、我々に関心を示してはいなかった。

 「ほらね。誰も気付かないじゃん。」

 俺はそっとエミリンに言った。そして俺たちは何事も無くグリルでの夕食を終えた。会計も済

ませ、グリルを後にした我々を襲ったのが一階に下りる階段だった。来た時は上りだったた

め、全く気付かなかったが、これでは下にいる人からエミリンのスカートの中が丸見えになっ

てしまう。ということは来た時に既に誰かに見られたのか!

 「エレベーターにしよう。」

 俺はエミリンを連れてエレベーターに向かった。が、ここのエレベーターは建物の中央にあ

って、ガラスのゴンドラのようになっており、我々には階段以上の難関となっていた。

 「思い出した。ここのエレベーターは女性に不評なんだ。見せたい人だけ乗れるんだ。」

 マズイ!帰れない。結局二人は階段を選んだ。エミリンはスカートを押さえ、階段をゆっくり

と下りた。やっと一階に着いた。なんとか無事二階から脱出した。次なる関門は車寄せだっ

た。ドアボーイに車のナンバーを告げ、待っている間、ビル風が吹き抜けた。エミリンは思わ

ずスカートの前を押さえたが後ろ側が捲れ上がり、我々の後ろで車を待っていた人にかわい

いキティちゃんのおむつカバーを見られてしまった。と同時に車が届けられた。我々は何事も

無かったかのように車に乗り込みドアを閉めようとした時、ドアボーイがエミリンに囁いた。

 「キティちゃんのおむつカバーかわいいよ。」

 すべて見られていたのだった。俺は直ぐに車を出した。エミリンは、見られてしまった動揺を

隠せないでいた。

 「恥ずかしい!どうしよう?あの人きっと車のナンバー覚えてるよ。」一理あった。

 「でもいいよ、もうここには二度とこないから。ねっ。」

 彼女も頷いた。俺は車を彼女の家に走らせた。が、ここで第三の難関が押し寄せた。エミリ

ンの徐々に高まる尿意だった。小さな声で彼女は言った。

 「トイレ行きたい。」

 しかし、もう幹線道路に乗っておりトイレなどなかった。

 「フェデラルハイウェーから出たらトイレ探すから、もうすこし我慢して。」

 がその瞬間、彼女の表情が安堵の表情に変わった。エミリン、初のおもらしだった。が、お

むつのおかげでスカートや車のシートは濡れずに済んだ。俺は、車をエミリンのアパートの前

に着けた。買ってきた沢山のおむつを入れた袋を持って彼女の部屋へ行った。エミリンはさっ

きのおもらしのショックからまだ立ち直っていなかった。

 「エミリン、気にすること無いよ。そのためのおむつだろ。」

 俺は余裕を見せたが尿意の高まりはかなりの所まできていた。

 「ちょっとトイレ。」

 その時、エミリンが俺の腕を掴んだ。

 「ダメッ!マーくんもおもらしするの。」

 マズイ状況!と思いつつも、尿意は最高に達した。次の瞬間、おむつの中に暖かいものが

流れた。やっちまった・・・あのワインがいけなかった。水分取り過ぎたな。しかし、なんか俺、

妙に落ち着いてるな。本当ならおもらしなんかしたら青くなってるだろうに。何故か人は排尿し

た後は表情が変わるようだ。エミリンも鋭くそれを察知した。

 ニコッと笑って言った。

 「出ちゃったのね。いいわ。私がおむつ替えてあげる。」

 彼女がベッドに掛かっていたブランケットを取ると、そこにはキティちゃんのオネショパッドが

敷いてあった。彼女は俺をそのオネショパッドの上に寝かせるとおむつカバーの紐を解いた。

 そしてホックを一つ一つ丁寧に外していった。

 「漏れるといけないから動かないでね。」

 おむつをされる時以上に恥ずかしく感じた。それもそうだ。おむつをされるだけなら、ただの

衣類とも思えるが、今は自分のおしっこで濡れた布おむつがその下に隠れているのだから。

とうとうおむつカバーが全部広げられた。俺のおしっこの匂いがプンと鼻を突いた。

 「あら、一杯出てましゅねー!」

 また赤ちゃん言葉だった。彼女は布おむつの乾いた所で俺のおなかとおしりを拭いた。そし

て濡れた布おむつとおむつカバーを同時に引き抜いた。そしてもう一つのおむつカバーに布

おむつをセットすると俺の足を持ち上げセットしたおむつをおしりの下に敷き込んだ。

 「ちょっと待っててね。」

 彼女は箪笥の引出しから缶を取り出した。

  ベビーパウダーだった。

 「これをすると被れにくくなるの。」

 彼女はそう言いながら俺のおしりと股にベビーパウダーを叩き付けた。そしてさっきと同じよ

うにおむつを丁寧に当てていった。

 紐も結ばれおむつ替えは完了した。今度のおむつカバーはキティちゃんのアップリケが付い

てるやつだった。

 「これもかわいい!」

 彼女は上機嫌に戻っていた。今まで自分がおむつしていることで嫌われるんじゃないかと思

っていた相手が、おもらししておむつ替えされてるんだから、そりゃ、安心するわな。

 「さて、今度は君の番だよ。」

 俺は起き上がってエミリンと交代しようとした。するとエミリンは、

 「やだもん。おむちゅなんて、やだもん。エミリン、もうおむちゅなんかいらないもん。一人でト

イレ行けるもん。」

 と身体を振って見せた。赤ちゃん言葉だ。でも何ともかわいい素振りだった。

 「ダメでちゅよ。エミリンはまだ赤ちゃんなんだから。今だっておむちゅ濡れてるんでしょ!」

 俺まで赤ちゃん言葉でどうする!逃げ回るエミリンを俺は捕まえた。

 そしてベッドに寝かせた。おむつカバーを開くと、またまたおしっこの匂いが鼻を突いた。す

こし中央がおしっこで黄ばんだキティちゃんの布おむつ。その下にはキティちゃんのおむつカ

バー。幼く見えるエミリン。この全体の取り合わせがいかにもかわいく思えた。もうこの子を離

したくないと思った。俺は本当にエミリンが好きになっていた。それに、おむつに対する抵抗感

もない。ないどころか、寧ろおむつが好きだ。この柔らかさ、この暖かさ、俺の心を優しく包ん

でくれる。

 「エミリン。一緒に暮らさないか?俺は君を離したくない。無くしたくない。だから・・・」

 エミリンは目を閉じた。俺は優しく彼女の唇にキスをした。そして自分のおむつを剥ぎ取り、

二人はめでたく合体した。
 
 

THE END