フィクションノンフィクション 55-4




 

              
  不思議な体験 ・ 付録  - 1
 
 

 病院から30分ほど掛かって家に帰りつく頃には、僕のオシメはまたいつのものように意識しないままに濡れていました。

 自宅の見える所まで帰って来た時、2階のベランダには見なれた僕の無地の布オシメやブルーや白色のオムツカバーがたくさ

ん干されているのが見えました。2階のベランダにいつもどうどうと僕のオシメやオムツカバーを干す事は僕は恥かしかったんで

すが、母親にすれば別に悪いことをしている訳でも何でも無くて病人なんだから大人の大きなオシメやオムツカバーも仕方が無

いというか、当たり前で別に隠して干す必要はないし、ましてオシッコやうんちで汚れたオシメは太陽に当ててよく乾かすのが一

番良いと言う位にしか思っていないようでした。

 僕がいくら大きくてもまだオシメの取れない赤ん坊くらいの認識しかなかったのかも知れません。

 そんな僕の大胆にベランダに干された大きな僕の無地のオシメやオムツカバーを見ながら、もっと可愛い赤ちゃん柄のオシメ

やオムツカバーだったら良いのに等と考えながら家に入りました。

 家に帰ると早速、僕に母が長い事出かけてたからオシメ替えなきゃいけないんじゃないのと声を掛けてきました。

 まだ先程の大きな赤ちゃんの余韻の気分の残る僕は母の問いかけに中途半端な返事を返しながらも、居間でズボンを脱ぐと

母が広げている無地の替えのオシメの横に横たわりました。母はオシメの準備が終ると部屋の隅に置いてあるオシメ替え用の

お尻拭きとベビーパウダーを取ってきてオシメの横に並べました。僕は顔を横に向けて傍らに置かれたそのベビーパウダーの

缶を見ていました。缶の横には元気そうな赤ちゃんの笑顔の写真が大きく映っていました。

 僕のオシメ関連の道具がオシメと言いながらもどれもこれも大人用の物ばかりなのに唯一このベビーパウダーだけが本物の

ベビー用品なんです。

 そんな僕の思いとは関係なく母の指示に従って自分の両足を上に上げると母が片手で僕の両足を押さえながら、僕に少しお

尻を上げるように言いそれから先程開いたオシメをオムツカバー毎ひき外しました。そしてもう一度お尻を上げるように言うと先

程用意していたオムツカバーとオシメを僕のお尻の下に敷きこみました。そして両足を上げたままお尻拭きで僕のお尻を拭いた

後ベビーパウダーをはたき、僕の両足首を持って足を広げながら下に降ろしました。 そして今度はもう一度お尻拭きで僕の元

気なく小さくなっているオチンチンと股間を丁寧に拭いた後ベビーパウダーをはたいてくれたんですが、その時突然母が僕に聞

いたんです。
 

 「ねえ、あっくん。病院に入院してた時はどうしてオチンチンの毛を剃ってたの?」
 

 突然の思いがけない質問に僕は一瞬どぎまぎしました。おまけにちょうど今オシメ交換の真っ最中で両足を大きく開いて股間

を母も目の前にもろさらけ出しているんです。でもその時は病院で看護婦さんの言葉を思いだしてその言葉通り母に答えまし

た。
 

 「あっ、あれは毛を伸ばしたままにしてるとオムツかぶれに成りやすいからって看護婦さんが剃っちゃったんだ。」
 
 「あら、そうなの?毛をはやしたままでオシメしてるとオムツかぶれに成っちゃうの?じゃあ、どうする?もうかなり生え揃って来

ちゃったけど、まだ当分オシメ取れそうにないし、オムツかぶれになったら困るからまたここ剃っとこうか?」

 「う〜うん。・・・・・・。」
 

 僕は母の言葉に一瞬びっくりしてから、でもその後、ちょっとうれしさがこみあげてきたんです。オムツカバーは赤ちゃん用じゃ

あないけど、ツルツルのオチンチンになればまた少しは赤ちゃん気分に戻れそうだとそう思ったんです。

 僕のそんな心の動揺を知ってか知らずか、僕の返事にはおかまいなしに母はもうオシメの上でオチンチン剥き出しの僕はそ

のままに洗面所にカミソリとクリームを取りに行ったみたいでした。そして結局お尻を上げてその下のオシメの上にビニールを敷

くと両足を広げた僕の股間にクリームを付けて綺麗にまた毛を剃ってしまいました。

 こうして、僕はまたツルツルの赤ちゃんのオチンチンになれたんです。母はそんな僕の股間を見ながら、
 

 「オムツかぶれに成らないって言うのも大事だけど、こうして見るとやっぱりオシメにはツルツルのオチンチンの方が良く似合う

わね。」

 「 ・・・・・・。 」
 

 僕はそんな母の言葉にまたどきっとさせられました。

 そして母は最後にそのツルツルのオチンチンと周りを熱いタオルで拭いて、ベビーパウダーをはたくと洗濯した新しいオシメを

当ててくれました。紙オムツと違って布オシメの場合オシメが濡れるとお尻も濡れるので、新しいオシメに替えて貰うとすごくお尻

が気持良いんです。オシメを当てた後いつものようにオシメの上からオムツカバーを当ててもらいました。

 でも今日のオムツカバーはいつものようにマジックテープ留めではなくてスナップボタンだったんです。最後にオムツカバーの

腰紐をお腹の上で結んでオシメ交換が終ったんですが、なんだか母が僕の腰の当りを見ながらニコニコしているのに気がつき

ました。

 僕は起きあがって母が一体何をみているんだろうと思いながら母の視線の先、つまり僕の腰に目をやって自分の腰に何か付

いているのかと思って首を曲げて自分の腰を見た僕はびっくりしました。

 何故なら僕のお尻に当てられていたオムツカバーが、いつもの病人用の無地のオムツカバーでは無くて、白地に小さな薄みど

り色の馬のプリント模様のちりばめた可愛いオムツカバーだったんです。模様からするとベビー柄とはちょっと違うような気もしま

したけど、それでも今までの全く味気のない無地の白色やブルーのオムツカバーとは段違いでした。僕はあまりの突然のことで

最初は声もでませんでしたが、そのうち段段と心がうれしくそして楽しくなって来ました。それで思わずどもりながら母に尋ねたん

です。

  
 「ど、ど、どうしたの?このオムツカバー。」

 「可愛いでしょう。びっくりした?勿論お店で買ってきたんだけど、隣の奥さんに教えてもらったのよ。」

 「隣のおばさん?」

 「そう。あっくんもまだ若いのにおじいさんみたいなオムツカバーで可愛そうだなって思ってたんだけど。それに今の状態だとい

つオシメ取れるかわからないどころか当分オシメは取れそうに無いし、それでたまたまあっくんの話を隣の奥さんと話してたら、

三丁目のドラッグストアに無地のオムツカバーじゃなくて、柄物のオムツカバーが売ってるって教えてもらったのよ。それで今日

早速お店へ行って見たら可愛い柄物がいっぱい有ったから皆1枚づつ全部で4枚も買ってきちゃった。だから後3枚あるのよ。

ほら。」
 

 と言って普段から僕の替えのオムツカバーを入れてあるプラスチックの籠から白っぽいオムツカバーを取り出したんです。母

が僕の目の前に取り出した残り3枚のオムツカバーはどれもみんな白色がベースの物ばかりでした。

 1枚は今僕が当ててもらったばかりの物、そして残りは、2枚目が白地に小さなブルーのチューリップのプリント模様のちりば

めた物、3枚目が白地に小さな黄色い花のプリント模様のちりばめた物、そして4枚目が白地に小さな赤い水玉のプリント模様

の物でこれは赤色の水玉が小さいので一見するとピンク系の様にも見えました。最初の3枚は別に男の子でも女の子でも使え

そうなオムツカバーでしたが、最後の赤の水玉模様の物は女の子用みたいでちょっと恥かしい気もしましたけど、でも何も言え

ませんでした。

 とにかくしかしこうして入院の時の大きな赤ちゃんでは無いですが、ツルツルのオチンチンに可愛いプリント模様のオムツカバ

ーを毎日母に当ててもらえるようになったんです。

 おまけですが、そんな可愛い僕のオムツカバーをベランダの干すようになってから、そのせいかどうか近所の人から小さな赤

ちゃんの要らなくなったベビー柄の布オシメをいただいたりもしてそれまでの無地の物ばかりだったオシメも多少可愛いい物が

増えて来たんです。

 怪我をしたのが高校3年の冬休みで3学期はほとんど入院で欠席していたんですが、学校の好意で何とか高校は卒業させても

らえ、また毎日ず?っとオシメが必要と言う事で障害者として認定もされてしまいました。

 そして高校卒業後は知りあいの伝で一応市役所の職員として図書館の司書の手伝いとして就職が出来ました。

 勿論オシメの取れない障害者と言う事で、市役所にも図書館の現場の人にも僕のオシメは公認でした。

 実は僕の就職した図書館と言うのは僕の自宅の直裏にあったので、歩いて3分で前もっての了解で就業時間中一日に6回オ

シメ交換の為に自宅に帰っても良いと言う許可ももらえていました。

 司書の手伝いと言ってもほとんどが裏方の仕事で、本の整理をしたり新しく購入した本の登録とか寄贈図書の未整理分の整

理・登録、痛んだ本の修復などの仕事でカウンターに出ることもなかったので割と気楽にこなしていました。

 そして毎日無事に何事もなく仕事をこなし、相変わらず一日に何度かはオシメを交換の為に自宅へ帰ると言った単調な生活を

繰り返していつのまにか3年が経ちました。

 今では僕のオシメは近所では誰も知らない人はいなくて、近所の赤ちゃんがオムツ離れをするたびに要らなくなったオシメをい

ただいて持っているオシメのほとんどが可愛いベビー柄のオシメになってしまいました。

 オムツカバーもあれ以降いつもドラッグストアでオムツカバーを買ってくるので、今では昔の病人用の物は1枚も無くて皆ベビー

柄では無いけれど可愛いオムツカバーばかりになってしまいました。ですからうちのベランダにはいつも可愛い柄物のオシメも

オムツカバーが干して有るんです。

 そんないつもと変わらない日々を過ごしていたある日、図書の貸し出しカウンターの係りの人が1人身内に急に不幸があって

休まれてしまい、急遽僕がカウンターに出なくてはならなくなってしまったんです。

 僕のお尻はいつもオシメをたくさん当ているのでどうしてもズボンのお尻が膨らんでいます。

 図書館の人は皆僕のオシメの事は知っているので良いのですが、カウンターに立てば僕のオシメの事を知らない人ばかりが

たくさん来ますので、僕の大きく膨らんだお尻に気付く人もきっと何人かは出てくるのでそれが嫌でカウンターには出たくなかった

のですが、でもどうしようもありません。

 でもその日は金曜日だったので貸し出しカウンターへ来る人も少なくてほとんどカウンターに座っていて、たまにいろいろな事

を聞いてくる人に質問に答えていれば良いと言う状況だったので楽でした。オシメ交換の時間にはカウンターのもう1人の人に見

てもらって、自宅に帰って母にオシメ交換してもらって直に戻ってくればなんとかそんなにもう1人の人に負担も掛けずに仕事をこ

なせました。

 そしてその日の夕方、僕の前に本の貸し出しの為に1人の女の子が立ったのです。その子が借りようとした本はある若手の作

家の詩集でした。僕も名前だけは知っていたのですが、まだ読んだ事は無くて一度は読んでみたいと思っていた詩集でした。

 そんな事一瞬思いながら、コンピューターの端末で本のバーコードを読み取りさせて本の返却日をその女性に言いながら本を

手渡そうとしてその女性を見た時に僕は思わず本を渡そうとした手が止まってしまいました。

 なんとその女性は中学の時の同級生で僕の初恋の女性だったんです。

 彼女の方もカウンターの僕に気が付いたみたいで、僕と同じ様に本を受け取ろうとした手を止めて一瞬僕をみつめ返しまし

た。

 
 「あら、あっくん?」

 「う・・・、うん?あっ、さっちゃん?さっちゃんだよね。」

 「図書館で働いてたの?私いつも来てるけど今まで全然知らなかったわ。」

 「うん、今日はピンチヒッターでここにいるだけで、普段は中で仕事してるから。」

 「へ〜、そうだったんだ。ふ?ん、・・・・・。で、あっくんは今彼女いるの?」
 

 突然の彼女の質問に一瞬びっくりしました。実際今でもその子のことは好きでしたけど、オシメの取れない今の僕では彼女な

んて夢の又夢のような話です。
 

 「ううん、彼女なんていないよ。」

 「そう。・・・・・。そうなんだ。もうすこしあっくんと話をしたいけど、今日はすぐに帰らなくちゃいけないの。そうだ!来週もここにい

る?」

 「ううん、普段は中の仕事だから、・・・・。でももしさっちゃんが来るんなら今頃の時間にこっちに出てるよ。」

 「ほんと!でも良いの?仕事はなれても。」

 「うん、時々はこっちに出てきても仕事してるから全く問題ないよ。」

 「ほんと。良かった。ありがとう。じゃあ、来週また来るね。」

 「うん。」
 

 こうしてカウンターに出ていたおかげで僕は3年ぶりに同級生のさっちゃんと会えたんです。高校一年の時に同じクラスだった

んですが、その後2年、3年の時は全く別のクラスでした。元気な子と言う印象で明るくてクラスの中心的な女の子だったんです。

僕はあまり目立たなくておとなしくしていた方なんですが、一年の時に英会話クラブでさっちゃんと同じだったんです。僕は英語は

得意でしたのでさっちゃんの方がよく僕に質問をしに来ていて、よく教えてあげたりしやものでした。でも2年になったときにクラブ

の顧問の先生が変わったのを機会にその先生と合わなくて2人ともクラブを止めてしまってそれ以来だったんです。もちろんクラ

スは別でも同じ学校ですから校内でたまに出あう事もあったんですが、ちょっと目で挨拶する程度でそれ以上のことは何も無く卒

業してしまいました。

 でもその日をきっかけにして毎週金曜日の夕方の僕達のデートが始まったんです。とは言っても僕は仕事中なのでいつも良く

て30分くらいしか話をする事が出来ませんでした。休みの日は彼女が土・日が休みなのに僕は月曜日の図書館の休館日と後希

望の平日が一日休みで、休みの日が合わなかったんです。

 そんな中で僕はさっちゃんの事がある意味不思議でした。もちろん僕のオシメの事はさっちゃんは知りません。僕もオシメの事

まではまださっちゃんには言えませんでしたし。もともと明るくて人気者だったさっちゃんが何故毎週僕に会いにわざわざ図書館

まで来るのか分からなかったんです。図書館の仲の良い職員のおばさんからはさっちゃんはきっとあっくんが好きなのよと言っ

ていましたけど、でも僕は人1倍さえないタイプの男だし、未だにいい年した大人なのにオシメをしたままなんです。もっともさっち

ゃんはまだ僕のオシメの事は知らないんですけど。

 でも相変わらずさっちゃんの図書館通いは続いていて、ついにさっちゃんが僕と遊園地へ行きたいって言い出したんです。

 僕はオシメの事があってどうしても行きたくなかったんですが、さっちゃんの強い要望についに押し切られてしまったんです。後

悔しましたが、どうし様もありません。僕がOKしたときのさっちゃんの笑顔を見るとどうしても嫌だとは言えませんでした。結局、

館長にお願いして次の日曜日に休みを取る事ができましたが、どうしてもオシメが気になる僕は母に相談しました。すると今まで

全く女っけの無かった僕が始めてのデートと言う事で母は大喜びで、オシメに付いては母から紙オムツを薦められました。紙オ

ムツなら布オシメほど枚数を当てなくても良いし、オムツカバーも要らないのでズボンもあまり膨れず、オムツを当てている事は

分からないと言う理由でした。それでその日の内に母はオープンタイプの紙オムツを買ってきてくれました。

 そしていよいよ初デートの当日の朝、母に布オシメを取ってもらった後紙オムツを当ててくれました。そしてデイバッグに替えの

紙オムツを5枚入れてくれました。

 待ち合わせの駅へは、始めてのデートだったので少し早くと思ったら30分も早く着いてしまいましたが、何と彼女の方も僕とあ

まり変わらず直に駅にやってきました。

 目的の遊園地へは電車の乗り換えをいれて約1時間ほどの時間でしたが、ほとんど彼女の話を聞いているだけで時間が直に

過ぎてしまいました。彼女が最近自分の身の回りに起こった事を一生懸命話をしてくれるのですが、僕はそんな彼女の声を聞い

ているだけで幸せでした。

 遊園地に着いてもからも彼女のおしゃべりは止まりませんでしたが、ジェットコースターからコーヒーカップまで遊園地内のいろ

いろなどんな乗り物に乗っていても、彼女は明るく陽気で楽しくてそんな彼女を見ているだけで僕もすごく楽しい一日を過ごせま

した。

 勿論何時間かに一度はトイレで紙オムツの交換をひとりでやりましたが、彼女には全くきずかれませんでした。

 お昼は彼女の作ってきてくれた可愛いおにぎりのお弁当を2人で仲良く食べました。 夕方、楽しく過ごした遊園地を出て喫茶

店で一休みをして夕方は近くのレストランで今度は僕が彼女に夕食をご馳走しました。そして夜また電車に乗って帰りましたが、

駅からは反対方向の彼女の家まで送っていきました。

 ところが、彼女の家の直近くまで来た時彼女が急に立ち止まって、今日は楽しかったから僕にプレゼントがあると言うんです。

で、僕に目をつぶるようにと、言われて一体何かと思いながら僕が目をつぶってじっとしていると、何か僕の直側に感じると同時

に僕の唇に柔らかい感触が当ったんです。僕がびっくりして目を開けると彼女がはにかんだような顔をして僕の顔を見ていまし

た。そしてびっくりしている僕に向かって、私からのプレゼントと言うとぱっと後姿を向けて自宅の方へ走って行ったんです。

 僕は彼女の後姿を見送りながら、自分の唇を手で押さえて彼女の柔らかい唇の感触を思い出していました。

 そしてしばらくの間、その場で考えこんでしまいました。

 彼女は僕の事がすきなんだろうか、それとも彼女の言ったようにただ単に今日一日楽しかった事のお礼だけだったんだろう

か。しかしただのお礼という意味だけでキスなんてする物だろうか。だとしたら、でも僕はオシメの赤ちゃん。

もし彼女が僕の事を少しでも好いてくれているなら、彼女との距離は開けるべきではないのかと思い始めていたんです。

 だっていくらなんでも今の僕には彼女に自分のオシメの事を打ち明ける勇気は有りませんでした。

 それくらいならまだ彼女に夢中になていない今のうちに彼女とは分かれた方が傷が浅くて済みますから。

 僕はそんな事を考えながら先程までの元気も無くなってとぼとぼと帰宅の道をたどりました。

 次の月曜日朝から仕事をしながらでも、考えているのは彼女との昨日の楽しいデートの事、そして彼女に自分のオシメの事を

知られる前に別れ様、いいえもう会わないようにしようと考えていました。

 それでその週の金曜日、僕はわざと仕事を休んだんです。

 勿論毎週金曜日の図書館内での彼女とのデートについては別に約束したわけではなく始めて図書館で会った時から習慣化し

ていただけだったんです。でもそれが今では当たり前になってきていただけに心に多少の引っかかりもありました。それでもあえ

て彼女には黙ってその日は休日を取りました。

 その日は朝から昼過ぎに掛けてなんとか時間が過ぎて行きましたが、夕方になりいつもの時間が近づくに連れて段段と落ちつ

かなくなって来ました。自分の部屋に閉じこもってじっとしていました。一つ懸念があったのは僕の自宅が図書館のすぐ裏だった

ので、図書館に来た彼女が僕がいないのを知って、僕のうちに来るのではないかと言うことでした。しかし普段彼女と合う時間が

過ぎても誰も来ませんでした。そう言えば彼女は僕の家がどこだか知らないんです。まさか彼女も僕の家が図書館の直裏だとは

考えもしなかったのだと思います。

 しかし次の日、出勤をすると同僚の職員のおばさんが僕のところへ来て、
 

 「一体昨日はどうしたの?彼女には何も言ってなかったみたいね。あっくんが来てないと知った時の彼女ったらすごくがっくり来

てて可愛そうだたわよ。『あっくんに何か有ったんでしょうか?』ってすごく心配してたわよ。」

 「 ・・・・・・・・。 」

 「彼女にちゃんと連絡してあげなさいよ。」

 「う、うん、・・・・・・・。」
 

 確かにきちんとした約束はしていないとは言え、今では当たり前になっていた金曜日のデートをいわば僕が勝手にすっぽかし

た見たいな物ですから、彼女が心配する?う?ん、僕の思い過ごしかも知れないけどもしひょっとして彼女が少しでも僕の事を好

いてくれているんなら、すこしでも早くオシメの事をうちあけるべきだと思いました。

 始めて出来た彼女(?)でしたけど、一時の楽しかった夢とあきらめようと思いました。僕自身今以上に彼女が好きになってから

では別れがつらくなります。

 今度彼女に分かれ話をしよう、そう決めました。

 そして次の金曜日はちゃんと出勤して、先週の旧の休みを急病という事にして謝って、もう一度話があるからとデートに誘いま

した。

 そして当日、車で1時間ほどの距離にある海へドライブに行きました。

 まだ泳ぐには早い海岸は僕達以外には誰もいませんでした。

 ちょっとした空き地に車を止めて、2人で海岸に歩いて行きました。そこから砂浜と言う所でちょっと1メートル位の

段差が有って、僕が先にそこを飛び降りてから一瞬ためらった物の勇気をだして彼女に手を差し伸べました。

 ちょっと彼女と目が合いましたけど、彼女はありがとうと言うと僕の手を握って彼女も砂浜に飛び降りました。

 始めて握った彼女の手は少し僕より冷たくてでも色が白くて柔らかい手でした。僕はもうその手の感触だけで舞い上がってしま

いそうでした。本当はそのまま彼女の手を握っていたかったんですが、流石にまだそこまではできなくて直に手を離してしまいま

した。

 彼女は久しぶりの海だとすこしはしゃいでいましたが、これから分かれ話をしようと言う僕にはとてもそんな気持にはなれず、ど

うしても僕の態度は落ちつきのない物になってしまいました。

 しかし今日は僕にオシメを彼女に打ち明けに来たんだし、早く話さないとますます話がしにくいと思いましたが、なかなか話す

糸口が見つかりませんでした。

 しかしそんな僕に気の付いた彼女の方が、僕より先に僕に話し掛けてきたんです。
 

 「話ってなあに?」

 「 ・・・・・・・。 」
 

 彼女の笑顔を見るとなかなか言葉が出てきませんでしたが、今話さないともう話せなくなると思った僕は勇気を出して重い口を

開きました。
 

 「実は、・・・・・・。」

 「実は?」

 「実は、もう会えない。」

 「会えない?」

 「うん。」
 

 僕は自分で口にしながら、なんでこんな言い方しかできないのか自分が少し腹立たしい思いがありました。

 オシメの事を話そうとしてるのに、なんでこんな言葉が出てくるのか自分でも分かりませんでした。
 

 「どうして?」

 「 ・・・・・・・・・。 実は、さっちゃんとはもう会えないんだ。」

 「だからどうしてなの?」
 

 さっきまでニコニコしていたさっちゃんの顔がみるみる泣きそうな表情に変わっていきました。

 しかし、そんなさっちゃんの顔から視線を外しながら、僕は言葉を探していたんです。
 

 「実は、僕は、・・・・・・。」

 「 実は? ・・・・・・。 」

 「僕は、いつもオシメしてるんだ。だから、だから、・・・・・、もう会えない。」

 「????????」

 「 ・・・・・・。 」

 「なんでオシメしてるの?病気なの?あっくんがオシメしてると何で私と会えないないの?」

 「 ・・・・・・。 」

 「?????」

 「実は高校の時に入院してた時があって、その時からオモラシするようになって、それからず?っとオシメが取れないんだ。」

 「 ・・・・・・。 」

 「いい年していつまでもオシメの取れない男なんて、さっちゃんも嫌だろ。だから、・・・・・・。」

 「そう、あっくん、病気でオシメしてたんだ。でもならオシメしてるとどうして私と分かれなきゃ行けないの?」

 「だって、一人前の大人の男がオシメしてて、しかもさしあたりオシメの取れる見込みもなくてひょっとしたらず〜っとオシメが取

れないかもしれないんだよ。」

 「じゃあ、私があっくんおオシメを替えて上げる。」

 「えっ、・・・・・・。 」

 「私があっくんおオシメを替えて上げる。」

 「 ・・・・・・・・。 」
 

 今度は僕が絶句をする番でした。

 オシメの事を打ち明けたら、彼女にきっとあっけにとられて無視されるか、笑われるかどちらにしてももう2人の間はこれで終り

だと思っていたのに、勇気を出してオシメの事を打ち明けたら、なんと彼女が僕のオシメを替えてあげようと言ってくれるなんて、

思わずびっくりして言葉が出て来ませんでした。
 

 「良いの?僕がオシメしてても?」

 「だって、病気なんだから仕方ないでしょ。オシメしててもあっくんはあっくんよ。」

 「 ・・・・・・。 」

 「私、私、オシメのあっくんが好き。」

 「えっ、・・・・。ぼ、僕も、さっちゃんの事好きだよ。」
 

 僕には彼女の言葉が信じられませんでした。だって、オシメの僕が好きだなんて、信じられませんでした。でも確かに彼女はオ

シメの僕のを好きだって言ってくれました。

 しかもそう言うと彼女は僕に抱きついてきたんです。僕もそんな彼女を思わず抱きしめていました。

 彼女の柔らかい胸が僕とピッタリとくっつきました。彼女の胸は思った以上に大きくて彼女を抱いている間中、僕の胸にピッタリ

とくっついている彼女の胸が気になって仕方ありませんでした。